“ドラえもん”も実現可能な未来で、人に寄り添うAIを求めて。『「#人とA Iの2025」コンテスト』開催

近年、AI 技術の開発は目を見張るようなスピードで進んでいる。wellvill(ウェルヴィル)株式会社は創業2年目ながら、東京大学等との産学連携により、AI分野でめざましい成果を上げているベンチャー企業だ。

そのウェルヴィル社が、人に寄り添うAIのアイデアを募るコンテスト『「#人とA Iの2025」コンテスト』を開催する。どのようなコンテストなのか、ウェルヴィル社が思い描く未来のAI社会とは?ウェルヴィル株式会社CEO松田智子氏に話を伺った。

最先端のAI技術で「あったらいいな、こんな未来」を提案できるアイデアコンテスト

特別審査員のつんく♂氏と落合陽一氏。
一次審査を通過した8名は、最終審査でつんく♂氏と落合陽一氏、
wellvill審査員の前で3分間のプレゼンテーションを行う。

折しも新型コロナウイルスの流行で日常生活が大きく変化し、将来に不安を抱える人が増えました。私たちも専門領域であるAI技術をどう活かしていくべきか、以前にも増して真剣に考えるようになりました。

そこで、企画したのが今回のコンテストです。テーマは「人とAIについて、2025年に実現していてほしいこと」。AIと聞くと、業務効率化や人の仕事を奪うというイメージを持っている人もいるでしょう。そんな視点を変えて、「AIで叶えられる楽しい未来を一緒に考えてみよう」というのが開催趣旨です。

このコンテストには3つのポイントがあります。

まず、①1行から応募できること。いろいろな方に気軽に応募していただけるよう、Twitterと特設ウェブサイトから応募できるようにしました。Twitterはつぶやくだけ、ウェブサイトからの応募方法も自由で、文章でも画像でも、手書きのイラストでも構いません。この一次審査を通過した8名が最終審査に進みます。

次に、②豪華審査員にプレゼンできること。最終審査では、特別審査員のつんく♂氏と落合陽一氏および我々wellvill審査員の前で3分間のプレゼンテーションを行っていただきます。なお、決勝戦MCはタリーズコーヒージャパンの創業者で、wellvillのCFOでもある松田公太氏に務めてもらいます。

そして、③実装型コンテストであること。「wellvill賞」に選ばれたアイデアは、賞金30万円が授与されるだけでなく、wellvillが実際に研究・開発を支援して実際にかたちにしていきます。この実装フェーズではハッカソンを開催する予定です。

最終審査に残ったアイデアのなかから「つんく♂賞」と「落合陽一賞」「wellvill賞」が選出されます。ほかに、全応募作を対象にした「特別アイデア賞」も用意しています。

応募に制限は一切ありません。どなたでも、何度でも応募していただけます。専門領域、技術、年齢や職業、文系・理系といったバックグラウンドも不問です。

「5年後にはドラえもんが隣にいておしゃべり」そんな未来はもうそこまで来ている

現在開発中でEggs’n Thingsで実証実験予定の「AIアバターレジ」。
注文から会計まで、アバターとやり取りしながら行うことができるサービスだ。
「注文ってどうなってましたっけ?」のような口語調の質問についても、
注文内容の確認と認識することができ、的確な返答ができる。

ウェルヴィルは、さまざまな企業と協働しながら、対話エンジンを中心としたAIテクノロジーを開発している会社です。IT企業で長年技術を磨いてきたメンバーが集まり、「ひとりひとりの暮らしを豊かに。」をビジョンに掲げ、2018年11月に起業しました。

私たちが目指すのは、人々の暮らしに寄り添い、よりよいコミュニケーションを支えるようなAI技術の開発です。これからの社会を担う若い人たちに明るい未来を切り拓いてほしい、それを自分たちが培ってきた技術で精いっぱいバックアップしたいと考えています。

今回、5年後の2025年という設定にしたのは、いまの開発スピードなら、その頃にはこのコンテストで優勝したアイデアを実装して世に出すことが可能になるだろうと考えたからです。

これまでのAIは、データを集めて分析・学習させるのが主流でした。しかし、いま私たちが注目しているのは機械学習ではなく、自然言語処理を活かした対話技術です。

たとえば、ウェルヴィルでは東京大学や様々な企業と協働して、「デジタルヒューマン」プロジェクトを進めています。これが数年後に実現すれば、人とAIアバターが、表情や話し方を変えながら対等に対話できるようになります。

人間は、ゴルフの話をしながらいきなり天気の話をするなど、会話の途中で何の脈絡もないことをいきなり話し始めることがありますよね。これは「双発」という人間の脳ならではの高度な働きです。これに近いことができるのが「デジタルヒューマン」で、相手の急な話題転換にも柔軟に対応して、共感しながら言葉を交わすことができます。実現すれば、一人暮らしの高齢者の話し相手になったり、小さなお子さんの友達になったり、家族のように寄り添うロボットが生まれるでしょう。

私たちの合言葉は「5年後にはドラえもんを作ろう!」。相手の表情を読み、気持ちを汲み取って、人間同士のような対話ができるロボット。こんな夢のような話も、決して不可能ではない時代が、もうそこまで来ているのです。

アイデアのヒントは“日常生活のなかでふと抱く、小さな喜怒哀楽の感情”

A Iアバターの表情については、シチュエーションに合わせて
自然に変化させることができるよう、日々開発が進められている。

今回応募する方にお伝えしたいのは、「実現できるかどうかは一切考えないでほしい」ということ。「こんなこと、ありえない」「そんなこと、できるわけない」というアイデア、大歓迎です!むしろ、そういった奇想天外な発想こそが、0から1を創造すると思っています。

一次審査で重視されるのは、実現可能性よりも発案者の思いです。「なぜそれが大切なのか」「誰にどう役立てたいのか」という思いを一所懸命伝えてください。その熱意が私たちを動かします。

「応募してみたいけど難しそうだな・・・」と思う方に、アイデア出しのヒントをひとつ。日常生活のなかで、自分の感情が動く一瞬を想像してみてください。「私は〇〇しているときが一番幸せ。この思いを共有できる人がいたら」「〇〇するの、大嫌い。何とかしてほしい!」。こういう思いは、いまAI技術で叶うかもしれないのです。こんなふうに、日常の1シーンを気軽にTwitterでつぶやいていただければと思います(Twitterでは他の方のつぶやきも#人とAIの2025 で見られます)。

“人の幸せのそばにある寄り添うテクノロジー”を目指し続けて

いまや「IT技術で作れないものはない」と言われるほどの時代。しかし、テクノロジーとは、ある意味恐ろしいものです。どんな方向に進化していくかで、世界はがらりと変わってしまいます。どこにどう進めていくかをきちんと考えないと、人をコントロールしたり、不自由にしたりするためだけに使われてしまうかもしれません。

一方で、テクノロジーは人の心や暮らしを豊かにする大きな可能性も秘めています。私たちは、AIを人に寄り添い、人を豊かにすることに貢献する技術にしたいと考えています。

一人ひとりが個性と感性を発揮できるような新しい市場を創ることも目指しています。社会の変革が進み、働き方も多様化するなか、市場がないがゆえに実力や技術を発揮できず埋もれてしまっている人が多いように思います。そういった人々が会社という組織に属さなくても、他の人とコラボレーションすることで実力を発揮できるような市場を作るのがウェルヴィルの大きなビジョンです。

今回は、特別審査員をはじめ、素晴らしい方々にご賛同いただいて、このようなコンテストを開催できることになりました。ぜひ、既成概念を取っ払って、想像の翼を思いっきり広げて、誰も思いつかないような面白いアイデアをたくさんお寄せください。

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