Peakers Hitachi Cup – 人事インタビュー 株式会社日立製作所 中村早希さん
2019年9月2日から9月25日までの間、機械学習ハッカソン・Peakers Hitachi Cupが全四回にわたって開催された。本イベントは、株式会社日立製作所とPeakersの共催。各回はいずれもコンペティション形式の個人戦だ。課題は、IT・インダストリー・エネルギー・ライフ・モビリティという日立製作所が注力する事業分野をもとに設定。ITの活用を前提とした上で、その他4分野に沿った毎回異なるテーマを設定した。世界でも類を見ないほど幅広い事業領域をもつ同社だからこそ実施できる魅力的な内容で、リピーターを含め通算100名以上の学生を動員した。
今回の連続開催において企画の中核を担ったのが、日立製作所 人財統括本部 人事勤労本部採用グループの中村早希さんだ。ハッカソンに参加するメンターの選定や企画の検討など、まさに「縁の下の力持ち」として開催に向け注力されてきた中村さん。今回の連続開催ハッカソンにかける思いや、実際に参加者と出会った感想などを伺った。
まずは、率直なご感想をお聞かせください。
ここまで3回ハッカソンを主催して、素直に「やってよかったな」と感じています。大学で機械学習を学んでいますという方もいれば、独学で学んできたので実力を試すために参加しましたという学生さんもすごく多くて。企業として、意欲のある学生さんに学んでもらう機会を提供できたのかなと嬉しく思いました。
イベントを通して、印象に残ったことはありますか?
上位入賞された方たちがプレゼンで、「運が良かった」と言っていたのが印象的でしたね。運が良かったのは、いろいろな引き出しを持っているからこそで、これまでの経験を生かしてあれこれ考えた上でひらめきが出たのだと思います。スコアが思うように伸びず残念だったという声も頂いたのですが、こういったイベントに参加して、「チャレンジする」ということがとても大事だと思います。結果がすべてではなく、イベントを学びや成長の場と捉えてそこで何か持ち帰ることに意義があるのかなと考えています。メンターとのやり取りや学生さんのプレゼンなどからたくさん知識を吸収していただけていれば嬉しいです。
全体の印象としてはいかがですか?
学びたい、チャレンジしたいという意欲を強く感じました。一緒に働きたいなと思う学生さんは本当にたくさんいましたね! 私は、技術を極めることはもちろん大事なことだと思いますが、その技術をどう社会に活かすのかも同じくらい重要だと思っています。どれだけ分析ができても、それを社会に価値として生み出せなければ意味がありません。そういうところにも興味を持って参加してくれた学生さんがたくさんいたので、ぜひ一緒に働きたいなと思いました。
今回はじめてのハッカソン主催でしたが、どんな思いで取り組みましたか?
学生さんに学びの場を提供する、日立のデジタルビジネスへの取り組みを知っていただくという2つの目的を持って臨みました。学生さんからは「家電、製造業のイメージが強かったけれど、デジタル技術を使って社会課題を解決している会社なんだということがわかった」という声を多くいただき、よかったなと思います。
貴社のAI事業にかける思いをお聞かせください。
どの事業でも一貫しているのは、お客様との協創を通じて社会に貢献するということ。それを実現する一つの手段がAIといったデジタル技術だと考えています。日立は、お客様の業務理解はもちろん課題背景を理解した上で、解決に必要となる技術を組み合わせてソリューションを提供しています。これからデータサイエンティストになる方には、技術だけでなくビジネスという視点を持ち合わせていただきたいなと思います。
これから入社される方にはどんな活躍を期待していますか?
今の日本や世界が直面している社会課題に目を向けて、視野を広く持ち、常にアンテナを立てて欲しいですね。それが、課題を発見する力だったり、解決する力に繋がっていくと思います。ぜひ、日立で技術力を発揮し社会課題を解決していただきたいです。
ハッカソンの開催を通して、どんなことが得られましたか?
大きな刺激を学生さんからいただきました。使用したモデルが同じでも、アプローチの仕方が一人一人違っていて。「みんな違うバックグラウンドを持っているからなのだろうな、なんだか日立に似ているな」と感じました。日立は多様性を大事にしている会社で、様々なバックグラウンドをもったプロが集まっています。だからこそ真にお客様のためになる新しいものを生み出せます。ハッカソンの学生さんたちを見て、改めて多様性って大事なのだなと思いました。
参加した学生さんにひと言メッセージをお願いいたします。
「お疲れさまでした!」と心から伝えたいです。レールが敷かれていない中で手探りしながら取り組むという経験は、会社に入ってからも大いに役立つと思います。実際の業務では明確な解が存在せず、けれど解決しなければならない課題や達成すべき目標がある、という場面ばかりです。そういった状況では、何もないところから自力で解決のプロセスを考える能力がとても重要になります。ハッカソンでは参加者の皆さんにゼロから課題解決をめざす体験をしていただけたと感じていますし、今後仕事に取り組む際もこの経験を活かしてほしいなと思います。スコアという結果だけにとらわれず、今回の参加がみなさんにとって何かプラスになっていれば嬉しいです。