日本ロレアル代表が学生に語る。ロレアルの変化と挑戦、そして未来に向けたメッセージ。

2020年10月13日、「Discover the Beauty of L’Oréal日本ロレアルによるオンライン特別講義」が開催。今回は、慶應義塾大学商学部グローバル・パスポート・プログラム(GPP)の学生を対象に、慶應義塾大学出身の同社社員を迎えて行われた。

目まぐるしく変わる世界情勢のなか、業界で世界No.1のロレアルグループが掲げる経営戦略や日本ロレアルが掲げるミッション、社員のワークスタイルや仕事へのパッションを伝えるインタラクティブ(双方向)セッションだ。このセッションは、日本ロレアルの役員クラス人材にとって、将来を担う次世代のリーダーと直接会話することで彼らに刺激を与えつつ、逆に役員クラス人材も彼らから刺激をもらうことも一つの目的とされている。学生と日本ロレアルの社員、そして代表取締役社長が繰り広げた特別講義、そして熱い議論の様子をレポートしていく。

(本イベントは司会進行を含め全て英語で行われたものを翻訳しております)

日本ロレアル代表取締役社長プレゼンテーション、コロナ禍にチャンスを見出しさらなる変化を遂げる「ロレアルDNA」

はじめに、日本ロレアル代表取締役社長のジェローム・ブリュア氏より、化粧品業界の現況や日本ロレアルが描く未来についてプレゼンテーションが行われた。氏はロレアル社に入社して29年、 同社のトップマネジメントの必須要素でもある、国際的で多様なキャリア形成の一環でフランス ・ドイツ・アメリカ・ベルギー・日本5カ国でキャリアを積んできた。多彩なバックグラウンドを持った人材がフラットに仕事に取り組むロレアルグループを象徴すると言える人物だ。

昨今のビジネスが重要視しているVUCA(Volatility、Uncertainty、Complexity、Ambiguity)というキーワードがある。世界がより複雑、曖昧に変動し、不確実性が高まっていくことを指し示した言葉で、ビジネスマンはより一層のスピーディで柔軟な対応が求められることを象徴する言葉だ。コロナ禍によってVUCAな世界は図らずも大きく加速することになった。それに対して日本ロレアルがとった対応はどういったものだったのだろうか。

「日本ロレアルではコロナ禍でも短期間でさまざまな企業・ブランドとのパートナーシップ、美容部員とお客様との新たなコミュニケーションを築き上げました。結果、日本ロレアルはコロナ禍のダメージを業界平均よりも少なく抑え、早く回復することに成功しています。ロレアルは、社会の変化を脅威ではなくチャンスと捉えており、どんな変革にも柔軟に対応して世界をけん引する企業であり続けることを目指しています。そんなロレアルグループのなかでも、日本はその中心的な存在にあたると考えています」

ロレアルグループの特徴は、その優れた業績だけでなく、環境や社会課題に対して多大な配慮を行っている点だ。たとえば、2005年以降、グループは、生産量を37%増加させる一方で、工場と配送センターのCO2排出量を絶対値で78%削減している。そうした取り組みの結果、企業の環境活動の評価を行う世界的機関である「CDP」から、世界で唯一AAA評価を連続獲得している。2025年までには、プラスチック製パッケージの100%を詰め替えや再利用・リサイクル可能なものにする。さらに、2025年までに世界中のすべての拠点でカーボンニュートラルを達成するなど、人類が生息できる場としてふさわしい地球環境が損なわれる限界と言われる「地球の限界(プラネタリー・バウンダリーズ)」を尊重したビジネスモデルに自らを変革するという目標を掲げている。

「その他、社会連帯の取り組みとして、社会的・環境的なニーズに対応すべく脆弱な立場に置かれた女性の支援や、循環型経済の発展へ貢献すべく、インパクト投資なども行っています。ロレアルは、1907年に1人の化学者からスタートして以降、毎年500以上の特許を申請し続けている、実は研究開発にも大きく投資している企業です。そうして多くのブランドポートフォリオを揃えることによって、より一層お客様のニーズに答えていく。業績を伸ばしつつ、世界が直面する環境・社会課題に対応し続けることは、ロレアルの重要な使命の一つだと考えています」

日本ロレアルは「ただの支社」ではなかった。世界の商品を日本に浸透させ、日本の商品を世界に売り出す敏腕マーケターの舞台裏

続いて、慶應大学出身の沼尻綾香氏から、「世界から日本へ 日本から世界へ」という日本ロレアルのビジョン&バリューの説明が行われた。ロレアルでは統一したブランドイメージを維持しつつ(globalization)、製品や販売促進方法を各国のローカルニーズに合うよう改良(localization)することで、製品をその国に定着させるという戦略を実行している。

「私はロレアル パリ、メイベリン ニューヨーク、ランコム、ジョルジオ アルマーニの4ブランドで仕事をしてきました。これまで、local(ジャパン)マーケティングチーム、internationalマーケティングチーム両方に所属経験があります。Internationalマーケティングチームの役割は普遍的なブランド価値を確立し世界に発信することと革新的な製品を開発すること、localマーケティングチームの役割は地域の環境に合わせた製品やコミュニケーションを提供することでブランドの機会を最大化することだと考えています」

例えばランコムのファンデーション一つを例にとってみよう。その製品は、一見すると世界共通のようで、実は違う。パッケージは世界共通だが、ローカルのニーズに合わせて消費者コミュニケーションや、フォーミュラ(処方)を変えている。例えば日本では「カバー力が強く、化粧もちがよい」というニーズに着目し、フォーミュラを日本独自に変更、色展開を改良した。更に、肌に直接塗布する商材であることからも、欧米人のモデルではなく、日本独自で日本のスポークスパーソンを起用。結果、百貨店やウェブで大人気の商品にすることができたのだ。

一方で、日本から世界へ、とはどういったことだろうか。

沼尻氏:「実は、メイベリン ニューヨークの “ハイパーシャープ ライナー”は日本で生まれ、世界中で販売されるようになった製品です。洗練された日本消費者が期待する繊細なラインを引く需要を満足させるべく、研究開発部署との連携力とたくさんのテストによって、このような素晴らしい製品が生まれました。ハイパーシャープライナーだけでなく、同ブランドのアイブロー製品、“ファッションブロウ スリム アンド ソフト”も日本から世界へ広がった製品です」

ロレアルにとってローカル(支社)とは、単にグローバルで開発された商品を仕入れて販売する拠点ではない。ローカルとは、グローバルやほかの国々で販売された商品を、その国の消費者のニーズを見極めながらローカライズする。そしてローカライズにとどまらず、新しい商品を生み出し、世界に広げていく。それゆえに、ロレアルがすべての国において消費者にとって近く、共感しえる存在でありえていることがよくわかる。

ロレアルが重視する「起業家精神」、年次に関係ないコミュニケーションと挑戦の場とは

後半にはパネルディスカッションの時間が設けられた。日本ロレアル社員である真野稜子氏と村上弓弦氏が、学生との質疑応答や、自身の体験を紹介するなどした。その中でも特にロレアルの「イズム」が感じられたものをピックアップしてご紹介しよう。

Q:日本の伝統的な会社では若い社員が発言を求められることはあまりないですが、お2人はどうですか?

A:真野氏「私は入社1年目、23歳でメイベリン ニューヨークを代表する製品であるマスカラの担当になり、入社歴問わずプロダクトマネージャーとしてプレゼンする機会がありました。ロレアルでは社員は年齢や経験値で発言力がある訳ではなく、自身の職務やポジションに応じてドライブする力、発言する機会があるという考えです」

A:村上氏「私も入社した年にメイベリン ニューヨークでデジタルマーケティングチームの販促プラン作成をまかされました。当時、経験も知識もまだ浅いのにも関わらず信頼してもらい、素晴らしい挑戦をもらったと感謝しています」

Q:外資系企業と聞くとドライな印象を持つ人も多いと思いますが、社内のサポート体制についてはいかがでしたか?

A:真野氏「チャレンジとサポートのバランスが良いのがロレアルの文化であると思います。コロナの自粛期間中もコンテンツ豊富なEラーニングで自宅にいながら幅広いジャンルを学び、スキルアップすることができました」

A:村上氏「私は入社前、コスメとは一切接点のない人間でした。入社後に一から勉強しましたが、会社としても必要な研修は準備されていましたし、周りの同僚からも、手厚くサポートしてもらうことができました」

初めてのコスメ業界、5カ国での経験、多国籍チームのマネジメント…ロレアルの「VUCA」は伊達じゃない

真野氏と村上氏とのパネルディスカッションの後は、学生と日本ロレアル代表取締役社長のブリュア氏、3名の社員との質疑応答が行われた。ここでは一問一答形式で、Q&Aの回答の一部をご紹介していこう。

Q.国内の化粧品ブランドとはどのように競争しているのでしょうか?

A. 真野氏:我々のDNAを訴求することが重要と考えています。たとえば、いま私が働いているロレアル パリであれば、パリジャントレンド(パリの流行を取り入れている)というブランドの強みを最大化することだと思います。

Q.フランス人として日本にはじめてきたときにカルチャーショックはありましたか?

A. ブリュア氏:ポジティブな意味での衝撃がありました。1つは日本人の団結心、コミュニティの結びつきの強さ。2つ目は細部にこだわる精神と信頼性です。社会のなかで自分の役割を果たさなければならないという強い意識を日本人は持っていることに、良い意味での驚きを覚えました。

Q.キャリアにおいて最も困難だったことは?

A. 沼尻氏:インターナショナルチームでマネージャーになったとき、多様性溢れるメンバーのチームマネジメント難しさを感じました。さまざまな国籍・文化の人が日本で一緒に働いていて、チームで結果を出せるよう努力しました。自分を成長させるとても良い経験になったと思います。

Q.もっともチャレンジングだったことは?

A. ブリュア氏:たくさんありますが、一番難しいのは、国ごとの文化や習慣、消費者意識などについて学ぶことです。現在まで5ヶ国にわたり仕事をしてきましたが、新しい国に飛び込むたび、また新たに学び直しています。その都度チャレンジはありますが、新しい発見や気づき、やりがいのある挑戦です。

A. 真野氏:マネージャーになったときです。ブランドが変わり、ひとのマネジメントを行うと同時に、仕事の責任範囲も広がって、すべてを勉強し直さなければなりませんでしたが、新しいチャレンジはとても楽しく、1つひとつがとてもいい経験になりました。

A.村上氏:私にとってのチャレンジは、担当する製品カテゴリーが変わったときでした。メイクアップカテゴリーから始め、いまはヘアケアカテゴリーに携わっており、消費者も市場の販売計画も全く違うので、そうした違いを捉えるのがとても楽しいです。

コロナ禍で大規模な対学生イベントを実施、これも「ロレアルの変化に対するスタンス」の一つ

コロナ禍の昨今、様々な企業が学生とのコミュニケーションの取り方に試行錯誤している。今回のオンラインでのインタラクティブな場は、日本ロレアルにとってもチャレンジだっただろう。しかし、オンラインにすることで学生の地理的な制限がなくなったり、移動時間の負担が減ったりと、ポジティブな面に目をむけつつ、代表取締役社長が登壇して直接学生とやり取りするという場を持つ。これがロレアルの「変化に向き合うスタンス」なのだなと感じるイベントだった。

村上氏(上記画面左から2番目)のように、「入社までコスメのことは全く知らなかった」という人物が活躍できていることからも、ポテンシャルを見て、その後の変化を促していく会社なのだろう。グローバルな社会において自分自身の力を試してみたい学生さん、ぜひ一度日本ロレアルの門戸を叩いてみてはいかがだろうか。

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