ベネッセコーポレーション2Dayオンラインインターンシップ -ベネッセと考える教育×AI- 最優秀賞 中森唯斗さん 横浜国立大学 理工学部電子情報系学科

2020年9月11日、2日間にわたって「ベネッセコーポレーション2Dayオンラインインターンシップ -ベネッセと考える教育×AI-」がオンライン上で開催された。ウェブサイトやアプリを用いた学習が当たり前のものとなった現在、学習者のデータ収集が可能となったことで、教育現場でもAI活用の可能性が広がっている。今回のテーマは、同社が提供する学習アプリへ搭載する、AIを用いた新機能の提案を行うこと。提案は教育に関するデータや情報、論文などをベースに実施した。モデルの構築こそなかったものの、設計案やデータ収集方法など技術面でもレベルの高いアウトプットを求められ、同時にユーザー・自社の双方に利益をもたらすにはどうしたらいいか、というビジネス的な視点も必要とされた。技術力と発想力・ビジネススキルをどちらも試すことができる、レベルの高いハッカソンだった。

今回、最優秀賞を獲得したのは、横浜国立大学3年生の中森唯斗さんだ。周りと差がついたポイントは「AI設計の技術」であり、課題に対して詳細なアルゴリズムを示したことが評価に繋がったと語ってくれた。課題設定には苦戦したようで、1日目の中間発表時にアイデアがありきたりと指摘を受け、再度ゼロベースから考え抜いた結果、2日目の朝にひらめいたアイデアを最終的な課題として設定した。プレゼンテーションでの工夫や、自分への評価、反省点についてインタビューを行った。

これまでの経験を教えてください。

現在、学部3年生です。大学では、電子デバイスを使って生き物の動きをトレースし、社会問題の解決につなげる勉強をしています。プログラミングは高校1年生で学び始めました。バイト先でシフトや売上管理をプログラムして自動化してあげたら、店長にすごく喜ばれました。自分のスキルが人を助けるのに役立つという実体験を得て、将来はこういう仕事をしたいと考えています。

2日間、どのように取り組んでこられましたか?

1日目は、チーム全員で課題について活発に意見交換しました。アライアンス制で初対面の人同士でしたが、すぐに仲良くなれました。中間発表のときに、アイデアがありきたりだという指摘を受けたので、もう一度ゼロベースで考え直しました。2日目の朝にひらめいたのが最終アイデアです。なかなか良いアイデアが思いつかず、苦しまぎれに「課題が簡単にならないかな」と考えたときに、「そうだ、問題のほうから難易度が下がればいいんだ」と思いついたんです。

メンターさんにもOKをもらって、そこからターゲットを絞り込んだり、AI設計などを考えたので、2日目はとにかく忙しかったですね。プレゼンの練習は30分くらいしかできませんでした。

今回の審査項目は主に「ビジネス」「プレゼンテーション」「課題解決」「技術」の4観点でした。このうち、最優秀賞の決め手になったのはどれだと思われますか。

AI設計の技術でしょうか。「こういう問題に対してはこういうアプローチができます」という詳細なアルゴリズムまで示せたのが評価されたと思います。時間が限られていたので、入力と出力、どういうデータがあってどんな結果が欲しいのかをまず考えて、そこから最適な手法を探し出したのですが、この戦略が功を奏しました。

プレゼンも評価していただけだと思います。冒頭のつかみが大事だと思ったので「突然ですが、数学の問題を解いていて、急に難易度が上がったと感じることはありませんか?」と問いを投げかけたんです。そこで、まずメンターさんの共感を得ることができました。

ご自身の2日間の良かったところ、反省点を教えてください。

振り返って良かった点は、始めにゴールを明確にしておいたことです。おかげでAI設計がすんなりできましたし、プレゼンの質疑応答もスムーズでした。

反省点は、細部のツメが甘かったことです。他の方がやっていたような1軸ではなく2軸での効果検定や客観的なデータに基づくターゲティングなど、もっと工夫できたと思います。

プログラミングを始めとするスキルを身につけていくにあたって、大切だと思うことはありますか。

僕は、楽しんで学べたからここまでやってこれました。競技プログラムやAIコンペで順位を楽しんで競っているうちに自然と技術力がついていったので、楽しむことが大事だと思います。

参加してみて、率直なご感想はいかがでしたか。

めちゃくちゃ面白かったです。最初はデータいじれないのか!と思いましたが(笑)、よく考えると、AIはまだ未発達なもので、どういうところに使えるのかわかっていない部分がたくさんあります。なので、「こういうところにAIを使えます」と提案できる力がまずなければいけないということに気づきました。

 実質2日目勝負で時間的にはかなりタイトでしたが、やり抜く力を身につけることができたと思います。今後は企画力と実装力を競うハイブリッドなハッカソンに参加してみたいですね。

主催のベネッセコーポレーション社に対してはどのような印象を抱きましたか。

カスタマーのことをきちんと考えている、学びに対してとても真面目な会社だと思いました。内定者メンターさんは年齢も近くて、まるでチームの一員のようでした。ほぼ付きっきり1日目から一緒にやってくれて、「がんばってね」「よかったよ」とこまめに声をかけてくれて嬉しかったです。

将来はどんな活躍をしたいと考えていらっしゃいますか。

将来は、人をデータで助ける仕事をしたいです。まだ具体的な職種は考えていませんが、ビジネスパーソンとエンジニアの中間のような存在になって、プログラミングになじみのない人にもわかりやすく伝える仕事をしたいと思っています。

[contact-form-7 404 "Not Found"]