売上はあるが開発の多くを外部に委託してきた IT企業で、1からエンジニア組織を作るという挑戦

アフィリエイトASP「Link-A」を展開する株式会社リンクエッジ。前期の売上が27億円に達し、今後1~2年で100億円企業を目指している。IT企業でありながら2017年末まで、開発の多くを外部に委託してきた。同社エンジニアの花房成光氏の任務はエンジニアチームを組織し、2018年7月までに新規ASPを開発すること。そのため、花房氏は仲間集めに奮闘している。

大手システムインテグレーターからエンジニア文化のないベンチャー企業へ

「リンクエッジの前職は、株式会社NTTデータでSIerとして6年弱勤務していました。大手通信系企業のシステムをNTTデータが担っていて、私は料金計算システムの追加開発や機能拡張といった部分を担っており、プログラミングというより一次請けの方たちを取りまとめるプロジェクトマネージャーのような業務を行っていました」

顧客先に出向いて、情報システム部門の方たちと打ち合わせをして課題を聞き出し、それに対する提案をして、システム設計・開発を進めていくことは楽しかったと話す。

「あるプロジェクトで顧客先に常駐することになりました。その時、自社サービスとして開発を進めるスタッフたちの姿を間近で見ていて、自分たちが開発したシステムが会社の売上に直結する、そういう働き方が羨ましいなと思い、転職活動を始めました。」

転職活動を続けている中で出会ったリンクエッジは、IT企業なのにシステムはほぼ全て外注、という特殊な会社だった。

「外注だとスピードがどうしても遅くなります。また、私が前職で感じていたことでもあるのですが、外注と自社開発を比べた場合、そのシステムに対する熱意というのか、温度感に大きな隔たりが生まれるんです。面接時、当社代表の川合からリンクエッジの『営業部門』は強い、『エンジニア部門』も強くなれば両輪で加速できると言われました。私が感じてきた温度感の違いを私自らの手で解消していくというのは、まさに私が求めていた仕事だと思いました。またスタートアップ企業でエンジニアの組織を1から作るというのはよくある話かと思いますが、売上がすでにある会社でエンジニアの組織を1から作る、そんな機会はそう出会えないだろうと思い入社を決めました」

現在、花房氏はエンジニアチームの組織構成を考案しながら、エンジニアの採用活動も担っているという。

「エンジニアの採用についても、エージェントとのやりとりとか、スカウトを送るなど、幅広く任されています。私が採用したいと思った人を選定できる立場にあるので、ポジティブに捉えて積極的に採用活動を行っています」

エンジニアの花房成光氏。岡山県出身 立命館大学大学院情報理工学部を卒業後、株式会社NTTデータに入社。大規模PJの開発メンバー、リーダー経験および、顧客先でのシステム開発要件調整などを担当。2017年10月リンクエッジのエンジニアとして参画

1からの組織、コアとなるメンバーを募集中

現在、このLink-A内製化および、新規ASPシステムの開発に向けて、Linuxなどのサーバ構築経験やAWS設計・構築、また、WANLANネットワーク設計・構築・運用を行えるバックエンドエンジニア。Webアプリケーション設計やコーディングスキルを持つフロントエンジニア。上記を幅広くフォローできるフルスタックエンジニアを募集している。

「今回の募集では将来、チーム構築や組織のマネジメントも担ってもらえるようなコアとなる人材を希望しています。タスクの大小によらず、全力でコトにあたることができる方や、技術的に深いもの、複雑なシステムであっても相手がわかりやすい説明と議論ができる方、アフィリエイター様向け、クライアント様向け双方に対するUX/UI設計スキルを持った方にもぜひ参加していただきたいです。先程も言及したとおり、今回は、売上がある会社でエンジニア組織を1から作っていきます。スタートアップ企業と違い、売上がある分、開発予算のしがらみも少なく、積極的にチャレンジできる環境は整っています。どんどん新しいことを提案してもらって楽しみながら仕事に取り組んでもらいたいですね」

外部パッケージでできたLink-A、内製化を目指し自社でASP開発へ

広告主400社、アフィリエイター2万8000人を抱えるLink-Aだが、今までリンクエッジはどのようにシステムを構築していったのだろうか。

「Link-Aは外注のパッケージ製品を使い、そのシステムにカスタマイズを加えるというかたちで構築されました。そのため、機能拡張性が乏しく、新しい技術を入れようとしても難しいことが多くあります。今回、このLink-Aを内製化することで仕様や機能を見直そうと考えています。例えば、データは今、オンプレミス環境で運用しているのですが、これをAWSなどを利用してクラウドに変更すれば、今後の改善もスムーズにできると思っています」

アフィリエイター向けの管理画面【同社提供画像】

新しいアフィリエイトASP開発では、まずは今までのものを踏襲していく予定だ。アフィリエイターと広告主が使いやすいものというものはもちろんだが、Link-Aは同社の営業なども業務上利用しており、アフィリエイターと広告主、当社の営業およびマーケター、3方向で使いやすいシステムを作っていく必要がある。

「現在の外注のシステムでは改善すべき点や営業からのリクエストがあったとしても、費用や時間的な問題がネックとなり置き去りになっていました。内製化できれば今後、なにか機能を追加したいとなっても社内でスピード感を持って、いくらでも対応できるようになります。アフィリエイター様と広告主様、また、営業およびマーケター、3方向で使いやすいシステムになれば、Link-Aを使ってくれるアフィリエイター様や広告主様の増加にも寄与できると思っています。また、営業やマーケターの業務効率化にもつながり、エンジニアとして売上増へ貢献できるはずです」

ひとつのシステムでto B、to Cおよび自社という3方向に関わる開発はなかなかない。エンジニアとして視野を広げられる環境がここにはある。

AIがレコメンド機能でコンサルティングするASPとは

同社では現在、各アフィリエイターおよび各広告主に1人、それぞれ担当者が付いてサービスを提供している。現在は各営業担当が持つ経験やノウハウをもとにコンサルティングを行っている。

「アフィリエイトASPにAIを導入しシステムとしてサポートできないかと考えています。Link-Aはリリースされてから7年ほど経過していることから、広告効果などの実績データは相当な量が蓄積されています。そういったデータを活用すれば、例えば、『去年の今頃は○○という商品が○○個売れた』というような情報を、調べずともレコメンドとしてシステムが教えてくれる、そういった機能を実現したいと思っています」

新規アフィリエイトASPは2018年7月リリース予定だが、まずは海外向けのシステムとなる。この海外用システムがうまく稼働すれば、日本国内用にリプレイスする予定がある。

「海外展開を進めるうえで、日本と海外の商習慣や売れる物の違いなどを踏まえ、海外に相応しい機能などを実装させていく必要があると思います。新しく参加してもらうエンジニアには技術的な部分だけでなく、どういったものが海外に相応しいシステムになるのか、そういったビジネス目線でのキャッチアップも求められます」

また、アフィリエイトASPは広告主とアフィリエイターをつなぐ、中間を取り持つものだと花房氏は話す。新しく作るLink-Aでは広告主とアフィリエイターをマッチングさせるプラットフォーム機能を追加する予定だ。

リンクエッジのエンジニア部門は誕生したばかり。新規ASP開発にチャレンジできる環境と同社の核となるエンジニアメンバーになれるチャンスがここにはある。

「当社に面白みを感じていただけた方、ぜひご応募をお待ちしています!」

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