Web開発経験者が語る、ビッグデータを活かしたIoTサービスの開発について

2018年1月23日行われた、MeetUpイベント・TechMash「IoT開発の裏側を、サービス提供企業の中の人に聞いてみようNight」のイベントに、株式会社スマートドライブから開発担当の石津真一氏に登壇いただいた。石津氏は主に言語開発からWebサービス開発まで行なっていたが、 より社会に対する貢献を考えて、IoTの世界へ足を踏み入れることに。現在はIoTサービス基盤の開発に携わっている。

ビッグデータを活かしたサービス展開

まずは弊社の法人向けサービスある「DriveOps」についてご紹介します。こちらの製品は自動車のシガーソケットにデバイスを設置し、取得したデータをサーバ側でアップロードして解析する仕組みになっています。従来の高額な車載器とは異なり、デバイスを差すだけで自動車の位置情報や加速度センサーからの運転情報がわかるようになっているんです。安全運転診断機能や日報管理機能、集計機能も付いており、ドライバーの安全運転指導に役立てたり、日々の業務を簡略化させたりといったメリットがあります。

個人向けサービスとしては、子供や孫が先ほどのデバイスで祖父母の走行情報を知ることのできる見守りサービや、SmartDrive Carsという定額で様々な自動車に乗ることのできるものも展開しています。自動車を保有するよりいろいろな車種を試したいという人が、安全に運転を楽しむことができるというものです。安全運転スコアなどに応じて、割引も行っています。

これらのサービスは基本的に、自動車の位置情報やセンサー情報を加工したものが使われるのですが、1つ1つのユースケースごとに開発をするのは大変な作業です。そこで当社 では、データプラットフォームというシステムを作って、サービスの開発を進めてい ます。プラットフォームにデバイスやアプリから収集した情報を、加工しないまっさらな状態でアップデート します。プラットフォーム側はそのデータをストレージに格納し、そこから集約したデータをつくることができます。プラットフォーム側がつくったハイコンテクストやエンリッチなデータをAouth認証のAPIを使って構築している形になってい ます。基本的にはアプリを登録して認可を得たものであれば、サードパーティでも開発が可能になり、これらを利用したアプリの開発に役立てられると思います。

WebサービスとIoTサービスでは何が違う?

私はWeb開発を経験し、今はIoT開発に携わっています。その中でもハードウェア開発について、異なると感じた点を紹介したいと思います。スピード感のあるWebでは作る(コードを書く)壊す(コードを消す)が簡単だと思うのですが、ハードウェアだと動かすこと自体が大変です。設計において、アイデアを要件に落とす処理をする中で、ハードとソフトの境界線の判断が必要になります。開発基盤においては、受託生産の開発を企業と一緒にすることが多いと思います。その中で、最適な企業を探すことや企業側とのやり取りの管理をしなければならず、これについてはある程度の経験が必要です。そして要件を満たせるのかどうか、細かくチェックしていきます。

例えば自動車だと、エンジンがかかると高電圧がかかるので大丈夫かどうかの確認をしなければいけません。最終的に、それが製品として出せるかのテストも行います。デバイスが自動車のUSBケーブルに差しても、振動などで抜けてしまわないのかなど。利用シーンに応じて、デバイスが耐えられるのかどうか、そこはWebとは大きく違うと思いますね。ハードの作り直しはかなりコストがかかるので、アイデア選考しているときは試作品で検証することがやはり重要になります。それがビジネス的に満たせているのか、十分に検証する必要があると思います。

開発での鉄板構成 とは?

ビジネスの要件に応じてだとは思うのですが、AWSだと思います。デバイスに対してのプラットフォームに対する金額がかけられるのならば、AWSなどのパブリックなものを使うのが便利ですし、本質的にやりたいことにすぐ取り掛かれるという意味では良いと思います。ただ、デバイスのサイズでメモリが足りないとか、プロセッサーの性能がないだとか、そういう場合は自分たちで適したシステム開発を行なう必要はありますね。

当社ではシニアのエンジニアが多く、分野に特化した人がそれぞれを開発しています。他の人たちはそれを追従したり知識の共有をしたりする形で開発を行なっています。

注目している技術

AIスピーカーやスマートスピーカーには興味がありますね。少しずつ世に出てきていますが、性能が上がるとより日常生活に浸透するのではないかなと感じます。私の祖父はGoogle Homeを使っているのですが、「オッケー、グーグル」をなかなか覚えてくれなくて 、最終的には自分 の手で色々とこなしてしまっている状況です(笑)。今よりも自然なコンテキスト の中で勝手に反応してくれるようになったりすると、より良い生活を送ることができるのではないかと感じています。

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