「排泄の悩みを解決したい」世界初・排泄予知ウェアラブルデバイスDfreeが変える未来

2018年1月23日行われた、MeetUpイベント・TechMash「IoT開発の裏側を、サービス提供企業の中の人に聞いてみようNight」のイベントに、トリプル・ダブリュー・ジャパン株式会社から、ソフトウェア開発責任者の恵比澤賢氏 に登壇いただいた。同社は2015年設立し、排泄予知ウェアラブルデバイス・Dfreeを開発している。2017年日経優秀製品・サービス賞で日経MJ賞最優秀賞を受賞し、日本だけでなく世界各国からも注目が集まっている。

世界初、排泄予知ウェアラブルDfree

我々が開発したDfreeは、腹部に装着し排尿の予知をしてくれるというウェアラブルデバイスです。超音波を使って膀胱の様子を捉えることで、尿が出るタイミングを知ることができます。仕組みとしては、Dfree本体にBluetoothでデータを送信する機能が備わっていて、それをアプリケーションで見れるという形になっています。実際には、クラウド上にデータがアップロードされると、受信したサーバサイドでは超音波の信号処理を行ない、機械学習の技術を使うことで、排尿の情報を作成します。この超音波ですが、皆さんが病院で受ける健康診断と基本的な原理としては同じです。

排泄の悩みを抱えるすべての人たちへ

こういったデバイスを初めて聞く方には、何のためにやっているのかと疑問に思う方もいるかもしれません。 このデバイスは、主に介護事業者の方々に利用されております。高齢になり食事や排泄などの基本的な日常生活においてサポートを必要とする方々は多くいます。介護の現場における3分の1が排泄ケアであると言われるように、介護スタッフにとっては大変な時間と労力がかかっています。Dfreeはそういったスタッフの労力削減に役立っています。他にも、今までは排泄に気が付きづらかったため、おむつに頼らないといけないことが多くありました。

このデバイスは排泄の予知が可能なので、なので、おむつなどの消耗品の削減にもつながります。また、介護スタッフだけでなく、高齢者にとっても役に立っています。排泄という人間の基本的な動作を人に頼らざるを得ないというのは、あまり気分が良いものではありません。そういった被介護者の精神的な部分でのサポートにもなっています。また、身体的な部分では、おむつによる肌荒れや感染症へのリスクの軽減につながります。我々のサービスで、より多く人たちに健康的で安心した生活を送っていただきたいですね。

Dfreeは2017年の春から販売を開始し、現在は国内を中心に150の施設で利用されています。また、フランスの大手の介護事業社を中心とした、世界60ヵ国以上から問い合わせをいただいており、準備を進めている段階です。我々は国内にとどまらず、世界中の悩みを抱えている方々にサービスの提供をしていきたいと考えています。中長期的には、排尿だけではなく排便の予測もできるデバイスの開発を進めていきたいですね。

また、法人だけでなく個人に対してもデバイスの提供をすることで、少しでも排泄ケアで悩んでいる人たちの役に立てればと感じています。今の介護の業界ですと、在宅介護や訪問介護など介護のシステムが多様化しています。また、介護を必要としない高齢者の方や神経性の理由などから若い方でも、排泄の悩みを抱えている人はいます。我々は、そういった方々を含めすべての人がより良い生活を送っていけたらと思っています。

WebでもIoTでも開発の目指す方向性は同じ

基本的には、WebサービスでもIoTサービスでもユーザーにサービスを提供する部分は変わらないと思っています。どうしても、IoTだとハードウェアに注目しがちですが、ユーザーのニーズに答えてサービス開発していくことは同じです。開発ではWebでの知識を活かせることもありますし、やはり実際に介護現場に行きコミュニケーションを取りながら、エンジニアとして良いサービスを作れるかが重要だと思いますね。当社では、スキルセットごとの単位で開発チームが分かれています。ソフトとハードでは、そもそものスキルセットが異なるので、ソフトエンジニアがハードを学ぶことなどは基本的にはないのかなと思います。

注目している技術

AWSのIoTにおける更新サービスに注目しています。去年から、従来よりも一気に拡充してきていることから 、デバイスマネジメントというサービスが気になっています。各地に展開しているデバイスを集中管理して、どうコントロールしていくのかという部分で、AWSがカバーしにきました。WebサービスだけでなくIoTサービスにも攻めに来ているなという印象を持ちましたね。

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