日本初、不在時でもスマートロックで宅配受け取り、「サービスが入ってくる家」プロジェクト開始

不動産活用のためのスマートロックなどのIoT製品を開発している株式会社ライナフは1月30日、「サービスが入ってくる家」プロジェクトを2018年2月下旬より開始すると発表。このプロジェクトはライナフ社製品であるスマートロック「NinjaLock」などを活用し、自宅不在時でも宅配や家事代行サービスを受けることができる日本初となる試みだ。

ライナフは宅配や家事代行サービスを提供する生活協同組合パルシステム東京、株式会社ホワイトプラス、honestbee株式会社、株式会社タスカジ、株式会社ベアーズの5事業会社と提携し、東京都大田区の賃貸マンション「ジニア大森西」にてサービス提供を開始する。

このプロジェクトでは、マンションの共有エントランス部に「NinjaEntrance」を、36室の全居室に「NinjaLock」を設置する。サービスが入ってくる家プロジェクトオペレーション専用のコールセンターが電話による各事業者のサービススタッフの本人確認と、インターネットを経由した鍵の開閉操作を遠隔で行い、入居者はスマートフォンの「NinjaLock」専用アプリから自室玄関ドアの開閉履歴を随時確認できる。

賃貸マンション「ジニア大森西」の全居室の玄関ドアに設置されるスマートロック「NinjaLock」

また、不在時のセキュリティ強化のために、玄関部の人の出入りの動きを撮影し、スマートフォンアプリから確認できるセーフィー株式会社のクラウドカメラ「Safie(セーフィー)」と、錠前付きの室内扉を設置する。このスマートロックの玄関扉と、錠前付き室内ドアの間がサービス受け渡しゾーンになる。

クラウド録画型映像プラットフォーム「Safie」

ライナフの滝沢 潔代表取締役社長は、このゾーンを「昔の日本の住居には戸外と室内の中間でいろいろな人が出入りできる土間があった。これはIoTによる現在版の土間だ」と説明した。

従来、標準世帯と呼ばれていた夫婦と子供から構成される世帯は減りつづけている。2010年以降は、高齢者や独身といった「単身世帯」が全体のうち最も高い割合を占め、2035年には37%にまで増加すると予想されている(国立社会保障・人口問題研究所「日本の世帯数の将来推計(全国推計)」(2013))。さらに、「DINKS(Double Income No Kidsの略、共働きで子供を持たない世帯のこと)」も増加傾向にある。

このような世帯構造の変化とともに、インターネットから購入した品物を自宅で受け取れる宅配や家事代行サービスのニーズが高まってはいるが、単身者や共働き世帯は日中の時間帯に家を空けることも多く、宅配物の受取や家事代行サービス利用時の鍵の受け渡しが困難な状況である場合もある。

そのような背景から、ライナフ社では「ITを駆使」し、「より柔軟にサービスが利用できる」ようなソフト面が充実した住まいへと大きく変化していくとの考えのもと、今回のプロジェクトの立ち上げに至ったという。

サービス受け渡しゾーンの居室イメージ【ライナフ提供画像】

また、「地元にいい商店街があるのに、単身世帯や夫婦共働きの世帯が増え、仕事から帰る時間にはもう閉まっている。今回のプロジェクトでは荷物を部屋の中まで届けてくれるだけでなく、提携した事業社とともに地域コミュニティを活用したサービスが受け取れる。家事代行サービスや買い物代行サービスなど、地域にいる人たちが地域にある店舗を利用してサービスを提供するので、地域活性化にもつながっていく」と話した。
そのうえで、「2017年10月にAmazonが北米の一部で、不在時でも家の中に荷物を届けてくれる『Amazon Key』を発表した。その3ヵ月後に我々が今回のプロジェクトを発表できた。米シリコンバレーに負けてはいない日本のベンチャー企業があることが嬉しい」とコメント。

ライナフの滝沢 潔代表取締役社長。実際に記者会見会場の扉に「NinjaLock」を設置し、壇上から開錠するデモンストレーションを行った

今後は、この賃貸マンションで出てきた課題などに対応しながら、新築マンション、中古マンションから戸建まで供給を拡大していく考えだ。

■株式会社ライナフ
「不動産に確かな価値」をビジョンに掲げ、不動産向けIoT製品「NinjaLock」(スマートロック)、「NinjaEntrance」(スマートエントランス)を発売。さらにスマートロックを活用した仲介予約システム「スマート内覧」や貸会議室予約システム「スマート会議室」などのWEBの仕組みと連動したサービスも幅広く展開している。

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