自動車から、すべての移動へ。コネクテッドカーの先端企業は、データプラットフォームで『未来の移動』の基盤をつくる

クラウド車両管理ツール「DriveOps」や、今春リリース予定と発表したコンシューマー向け定額コネクテッドカーサービス「SmartDrive Cars」を運営する株式会社スマートドライブ。同社は今年1月、公開するデータプラットフォームを利用してサービスを作成するパートナー企業の募集を開始した。
専用デバイスの導入台数は数万台以上。損害保険大手のアクサ損害保険株式会社とも業務提携を結ぶスマートドライブのデータプラットフォームについて、今回は同社エンジニアの石津真一氏に伺った。

自動車だけではない、すべての「移動」のプラットフォームへ

今回のデータプラットフォーム公開によりパートナーとなった企業は、スマートドライブが取得する様々なデータを利用してアプリケーションを作ることができる。例えば自動車の走行経路データから見守りサービスを作る、危険運転や事故データなどの情報を自動車保険に活用する等、利用の可能性は幅広い。しかし今後は、自動車だけでなく様々な移動体のデータを精査できるプラットフォームにしていく考えだ。

「元々、プラットフォームは自動車以外の移動体の分析にも対応できるように作られています。プラットフォームに未加工データを置いているという理由はそこです。DriveOpsやSmartDrive Carsでデータが利用されるときにはじめて『自動車の移動』として処理され、アプリケーションに表示される形になっています。将来的に自動車以外のもの、例えば人や船などのデータを扱うようになったとしても、処理方法が変わるだけで同じプラットフォームが利用できます。ですので、これからは自動車以外の移動においても処理の精度を高めていきたいと思っています」

現実世界をデータ処理、ウェブとは違う困難

スマートドライブのデバイスは、車両の位置情報や走行経路、運転の安全度合(車両にかかる加速度をリアルタイムに測定し、急ブレーキや急発進、急ハンドルがなされたのか、どの程度の強さだったのかを可視化している)など様々な情報を取得している。数万台から送られてくる膨大な数のデータは、どのように処理されてアプリケーション上に表示されるのだろうか。

「送られてきたデータは解析の前にクレンジングされます。このデータクレンジングも担当しています。時系列的に妥当かどうか、大きな外れ値があればそれを除く、といったような形でデータを整えています。弊社ではプラットフォームには未加工のデータを置いて、その上にサービスがあるという形なので、プラットフォームにあるデータをどう解釈するか、どう表示するかというのはサービスによって変わってきます。クレンジングしたデータはサービスの目的に合わせて解析され、そのサービスのアプリケーション上で必要なものが表示されるという仕様です」

元々はゲームやWeb系の開発を行っていた石津氏。ハードウェアからのデータを扱う同社では、Web系とは異なる難しさがあったという。

「デバイスが取得してくるのはセンサーの生の値なので、ウェブと違ってノーマライズされていないんですよね。色々な例外的なものが、たくさん入ってくる。一般的なWebサービスだと、データがアップロードされる段階でバリデーションがかかっているのが普通ですが、時系列のセンサーデータの場合は、一度受け入れた上でデータをクレンジングしていく必要がある。 整っていないデータを扱う難しさは大きかったです」

キャリアのスタートはゲーム業界だったという石津氏。その後SNSの開発に携わっていたが、社会貢献度の高いサービスに携わりたいと考え、スマートドライブに転職

技術で社会に貢献する、価値あるエンジニアリング

プラットフォームの高い性能を支えるスマートドライブのエンジニアたち。代表取締役の北川氏は20代だが、開発メンバーにはベテランエンジニアが多いのだという。

「平均年齢は30代中盤~後半くらいで、経験豊富なエンジニアが多いですね(笑)。困ったりした時に何かしらの知見を提供できる人がいるので、経験の浅いエンジニアでも、安心感はあると思います。」

スマートドライブでは現在、エンジニアを積極的に募集している。プラットフォームの公開によってますますエンジニアの重要度が高まってくるこのフェーズで、石津氏はどのような人物と一緒に働きたいと考えているか、伺った。

「自分が携わるエンジニアリングが社会に貢献できる。そういったものを求めている方には、当社はすごくあっていると思います。それから、『移動の進化を後押しする』という当社のビジョンに共感できること。私たちは、社会的に大きく貢献できる、価値のあることをやっていると思っています。ですから、このビジョンに同じように価値を感じてもらえて、実現力のある方に来ていただけたらと思います」

私たちの生活と切っても切り離すことのできない「移動」。そこにテクノロジーが大きな変化をもたらせば、私たちの日常もより豊かなものへと変化するに違いない。

代表取締役・北川氏(写真右)と。着用しているパーカーは社名入りで、社員全員に配布されている
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