CyberZに聞く!【前編】現場の声から次々と新機能を開発するスマホ広告効果計測ツール『F.O.X』とは

スマートフォン広告の代理事業をはじめ、スマートフォン広告効果計測プラットフォーム「F.O.X(Force Operation X:フォックス)」、ゲーム実況やプレイ動画の配信スマホメディア「OPENREC.tv」など様々な事業を展開している株式会社CyberZ。まさに国内のスマートフォン事業において、先駆者的存在となっている。
中でも「F.O.X」は国内で初めてスマートフォンアプリ向け広告効果計測を実現し、導入アプリ数は6500、計測している端末はなんと1.2億台を超える。AppStoreの売上トップ200のうちの35%のアプリに導入されているという、大きなシェアを誇るプラットフォームである。

今回は「F.O.X」が支持を受ける理由やその特色、また、最先端のプラットフォームを生み出す開発環境について、株式会社CyberZでF.O.Xサービスマネージャーを務める門田矩明氏にインタビューを行った。前編である本記事では、同社の主要事業のひとつである「F.O.X」の話を中心に伺った。

日本で初めてスマホ広告の効果測定を可能にしたプラットフォーム

「F.O.X」は、スマートフォンアプリを運営する企業がSNSやWebメディアなど複数の媒体でアプリをインストールしてもらう広告を掲載した際の効果計測を一元化してくれるツールだ。

「広告メディアではそれぞれの広告のアクセス数はわかっても、アクセスされた先で実際に広告主のアプリがインストールされているかどうかまではわからないんです。『F.O.X』を導入していただくことで、アプリのインストール数が計測できるだけでなく、インストール後にユーザーがアプリを継続利用しているか、といった情報まで計測できます」

F.O.Xのダッシュボード画面。棒グラフでわかりやすく表示される

また、「F.O.X」はTwitter、Facebookをはじめとする数多くの主要な広告メディアとの連携を行っている。広告メディアと連携することで詳細な分析が可能になるほか、広告メディア側にも利点があると門田氏は言う。

「広告メディアにとっても、自社媒体の広告効果がどのくらいあるかというは重要な情報です。僕たちとパートナーになることで、広告メディア側は自社の広告を通じたアプリのインストール数など詳細な広告効果の情報を得られるようになります。実際に『F.O.X』を導入していただくのはアプリを作っている企業様ですが、すべての広告メディアやスマートフォンに関する事業が僕たちのパートナーになり得ると思っています」

クライアントと二人三脚で作り上げた、日本市場に強いサービス

インストール数や継続利用状況以外にもアプリの課金額・DAU(デイリーアクティブユーザー)などを計測することができる「F.O.X」。サービスの開発背景には、クライアントである広告主と二人三脚で作り上げてきた歴史があり、それが現在のプロダクトの強みにもなっているという。

「『F.O.X』の開発を始めたのは2011年頃で、まだスマートフォンアプリのプロモーション手法がまだあまり進んでいない時代でした。その中でクライアントの『こういう使い方ができないか』、『もっと掘り下げた分析をしたい』というような要望を細かく聞きながら、『F.O.X』を作り上げていった。そういった経験があるので、クライアントのやりたいことを実現するためのノウハウが社内に蓄積されています。そこは大きな強みだと思いますね。ただ、実現というのはただ要望された機能をそのまま開発するということではありません。クライアントが何を重視していて、どのように利用するのかをきちんとヒアリングしたうえで、クライアントにとっても開発する僕たちにとっても最善の形で提供できるようにしています。また、機能としても、レポート画面の表示カスタマイズなどは柔軟に行えるように作っていますね」

ダッシュボード画面は、用途に応じて簡単にカスタマイズできる

「F.O.X」の強みはそれだけではない。日本のスマートフォンアプリ市場で大きなシェアを持っていることと、国内市場に特化してきた点でも他のサービスを圧倒しているという。

「世界のスマートフォン広告市場でも、日本の市場はかなり大きい。それに加えて、日本のコンテンツがそのまま海外でも使われているという状況があります。僕たちは、日本市場の35%のシェアを持っているのですが、この時点ですでに中国・台湾・韓国を合わせたアジアの市場で10%近いのシェアがあるんです。
僕たちはまず日本に特化する形でサービスを作り上げシェアを獲得しているのですが、同時にアジアでもプレゼンスを高められています」

誰かの「こんなことをやったらいいんじゃないか」という気軽な発信から、サービスを生み出す

多くの機能を擁している「F.O.X」だが、門田氏は「今後はさらに、お預かりしているデータの新しい使い方をクライアントと考えていきたい」と語る。そこで、すでに実装されている新機能について伺った。

「直近で提供した機能が二つあって、ひとつは『F.O.X』をBIツールと連携させる機能です。今までは『F.O.X』のデータをBIツール上に表示しようと思ったら、手動でデータを取ってきてBIツールに取り込まなければいけなかったんですが、この二つを連携させて『F.O.X』のデータが自動的にBIツールに表示されるようにしました。つまりクライアントはBIツールを見ているだけでユーザーの課金額だったり、DAUだったりという情報を確認できるようになったんですね」

「もうひとつは、テレビ視聴データとの連携です。最近、テレビでアプリのCMがよく流れているじゃないですか。そのCMから実際にどのくらいアプリインストールに結びついているかというのを、テレビメーカーさんやサービス事業者さんと連携して『F.O.X』で実測できるようにしたんです。今までも予測機能はあったんですけれど、実際の数がわかるようになりました。これは従来の、単にアプリがどれだけインストールされたか、というようなスマホの中だけで完結するサービスとは違いますよね。よりユーザーの生活に密着した事業展開も行っています」

こうした新しい機能は初めから新規事業として提案されたものではなく、日々の業務の中から発生する様々な要素を発信源として生み出されたという。

「BIツールとの連携はクライアントからの要望をもとにして、クライアントにヒアリングを行いながら開発していきました。テレビCMの場合は、テレビメーカーさんとやり取りしていた社内メンバーから『テレビCMの広告効果の実測をやってみませんかっていう話があるんだけど、これって『F.O.X』と連携できないかな?』という提案があり、それいいね、というところから始まりましたね。どちらにせよ誰かの『こんなことをやったらいいんじゃないか』という気軽な発信を拾い上げて、検討していった先でサービスが生まれていることが多いです」

現場の声から次々とサービスを開発し続けることで進化する「F.O.X」。今後、進化し続けることで日本だけでなくグローバルでプレゼンスをますます高めていく。

誰かの気軽な発信から新機能が生まれる、という門田氏の言葉からは、CyberZの新規事業へのスピーディさと柔軟で質の高い開発チームの様子が伺える。後編では、「すべてのエンジニアがフルスタック」だというF.O.Xの開発体制についてまとめた。

CyberZに聞く!【後編】すべてのエンジニアがフルスタック、『F.O.X』の開発体制とは?

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