次世代のバーチャルキャラクター、富士葵ちゃんと聖地巡礼の旅

株式会社 Smarprise が、「VAR(バーチャルエーアール)キャラクター」という、あまり耳慣れない事業を開始する。誕生したキャラクターの名前は富士葵(ふじ あおい)。制服姿にハチマキを付けた姿が印象的な彼女は一体何者か、なぜ誕生したのか。キャラクター誕生話から事業参入への背景、今後のビジョンまで、事業担当者である小沼氏に話を聞く。

バーチャルキャラクターがYouTuber?

ここ数年、「君の名は」などを皮切りに、アニメ業界が盛り上っている。たとえば「花咲くいろは」 というアニメでは、アニメの中に登場する祭りが、その舞台となる地域で実際に開催され、 さらに地域の伝統になりつつある。アニメがリアルな世界に及ぼす影響力は大きいようだ。そんな文脈で生まれた新たなバーチャルキャラクターが富士葵ちゃん。彼女は YouTube上で活躍する、いわゆるユーチューバー。動画内でアニメの聖地巡礼をしたり、他のユーチューバーとのコラボレーションをしていく予定だという。

コンセプトは応援団

課金還元プラットフォーム「SMART GAME」を主事業としている株式会社 Smarprise は、2017年12月、バーチャルキャラクター事業を新たに展開した。同年6月から事業検討をスタートし、約半年というスピード感でリリースを実現。会社全体が新規事業に積極的に取り組むスタイルだからこそできたのだという。

「ゼロからのスタートだったので、苦戦したこともありました。どのようなデザインにするのか、新しい技術をどうクオリティアップしていくのか、開発を依頼している協力会社とのコミュニケーションを取りながら進めてきました。」

富士葵ちゃんは、社内にあるスタジオで撮影した富士葵ちゃんと、別途撮影した現実世界の風景とを、3D技術を使って同期させている。

彼女の性格や口調など、細かい部分も一つ一つ考えこまれている。

「アジアを主軸とするグローバル展開を見据えてキャラクター設定をしています。彼女のコンセプトは”キミの心の応援団長”。彼女の存在を通じて、日本の魅力をグローバルに発信し、沢山の方の応援に繋がってほしいと考えています。」

日本のアニメは海外でも人気が高い。訪日観光客数の多さや日本のアニメ視聴率という 点から、特に台湾や香港、韓国などをターゲットとして設定している。その後は東南アジア、そして欧米を視野に入れている。

海外をメインターゲットにしたもう一つの理由が、日本の”応援団の文化”だ。

「外国人観光客が何に興味を持っているのか情報収集した際に、野球の応援団を見に来る、というツアーパッケージを見つけました。観光地でも、試合そのものでもなく、応援団を見学しに来るんです。世界的に日本の応援団は珍しいようで、みんなで歌を歌って応援するという文化は海外ではあまり見られないそうです。」

名前の富士は、日本のシンボル富士山から取ったそうだ。キャラクターがリアルなアニメの聖地に行く動画を見て、外国人観光客も実際にそこへ訪れるような流れを作ることを狙っていると話す。

動画や音楽、ゲームなど活躍の場を増やす

今後は、毎週動画をYouTube 上にアップしていく予定だ。また、動画だけにとどまらず、オリジナル楽曲の音楽配信やゲームなどのコンテンツの拡充を目指していくという。

「今後、色々なバーチャルキャラクターが出てくる中で、インフルエンサーとしてナンバーワンになることをビジョンとして掲げています。」

葵ちゃん以外のキャラクター展開にも注力していくため、すでに Smarpriseで活躍している動画クリエイターの他に、デザイナーが必要になる。同社はキャラクターの制作に関して多くの知見があるわけでないため、試行錯誤が求められたり、自分から成長していける人が向いているだろう。自分でキャラクターを生み出せる、そして世界中の人に見てもらえる、稀有な環境だ。

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