的中率50%! 勝ち馬を予測する人工知能「SIVA」が競馬界の勝利の女神となる

「競馬」。 この単語から頭に浮かぶイメージは何だろう。左手に小さく折り畳んだ競馬新聞、右手に赤鉛筆を握りしめ大声で声援を送りながらレースの行方を見守る中年男性。競馬というレジャーに対する筆者のイメージはこのようなものだった。

しかし、今回取材した株式会社GAUSSが開発したスマホアプリ「SIVA」は、競馬の旧来のイメージを一新し、より多くの人が気軽に楽しめるようにする画期的なプロダクトだ。

株式会社GAUSSの営業部主任を務め、SIVAの魅力を伝えるメディア「SIVA PRESS」の編集長でもある野下龍氏と、SIVA開発チームのAIエンジニアである宮脇祐太氏にお話を伺った。

SIVA PRESSの編集長である野下氏。終始、朗らかな雰囲気でお話してくれた

的中率50%、回収率130% 勝ち馬をささやくAI

「SIVA」は、競馬の勝ち馬を予測してくれる人工知能である。UXにチャットボットを採用しているのが特徴的だ。トークアプリと同じ感覚で「○○のレース結果を教えて!」と送信すると、リアルタイムで予測結果が返ってくる。 SIVAによる予測の的中率は驚異的な数字だ。なんと、単勝(1位の馬)を的中させる確率は50%、回収率(賭けたお金に対して戻ってきたお金の割合)に至っては130%にも上るという。

そんなSIVAは一体どのようなきっかけで誕生したのだろうか?

「そもそもは、代表の宇都宮(GAUSS代表取締役・宇都宮綱紀氏)の父親が競馬ファンだったのが始まりでした(笑)。よくレースの予想を尋ねられたらしいんですが、彼自身は当時全く競馬に興味がなかったので返答に困ったらしくて。そんな家族のために開発したというわけです」(野下氏)

また、技術的な面でも「競馬予測」という分野は機械学習と相性が良かった。

「人工知能の精度を試すために、深層学習の試験問題にできるものがないかずっと探していたんです。そこで競馬予測というのはうってつけでした。東京でのレースは毎週末に開催されるので、どの馬がどんな勝ち方をしたかという、新しいデータが常に手に入ります」(宮脇氏)

SIVA開発に携わるAIエンジニアの宮脇氏。専門的な技術を噛み砕いて説明してくれた

さらに、AI関連企業の展示会でも、競馬予測というサービスは強いインパクトを与えたそうだ。実際に目の前でSIVAが予測する様子を見せてもらったが、「○○のレース結果予想は?」というこちらの問いに対して即座に回答が返ってきた。

感情さえなければギャンブルは楽勝!?

驚異的な的中率を誇るSIVAが予測するために学習しているデータは、非常に多岐に渡る。走る馬やジョッキー(騎手)はもちろんのこと、馬の親や祖父母についての情報まで集める。血統以外に、過去に出たレースの数に勝利数、血統に加えて、コースが芝であったかダートであったかなどまで分析する。これらの多種多様なデータはJRA(日本中央競馬会)が提供しているものもあれば、ネット上で収集することもあるそうだ。

また、SIVAの機械学習にはニューラルネットワークの中でも、最新のアルゴリズムを使用している。これは、人間の脳の思考をより精度が高い状態で再現する数式だ。そのため、予測を立てるまでの思考プロセスはあくまで人間と同じであるが、1つ、決定的に異なる点がある。

「人間は判断するときに感情が入ってきてしまいますが、AIにはそれがありません。ギャンブルは感情にとても左右されるものなので、そこを抜きで判断が下せるのはすごく大きいですね」(宮脇氏)

SIVA予測の正確さに感嘆するのと同時に、「それでは競馬の醍醐味が失われてしまうのでは?」という疑問の声が上がるかもしれない。けれども、ここで強調しておきたいのはSIVAがあくまで競馬の可能性を広げる存在であるという点だ。

「競馬ってもちろんレジャーのひとつなので、楽しみ方は人それぞれです。たとえばファン歴が長いベテランの場合、自分で考えて予想するのを楽しむ人がほとんどなんですよ。一方で、AIで予測を的中させるのを楽しむ人もいる。そういう人たちが喜んでくれれば私たちエンジニアとしては嬉しいですし、SIVAを利用することで楽しみ方の間口がより広がればな、と」(宮脇氏)

SIVAが取り払う、初心者とベテランの垣根

AIが参入することで、競馬界はどのように変化していくのだろうか。

「競馬を始めるハードルが下がると思います。いきなり競馬場に行くのはちょっと抵抗があるけど、SIVAで予測してネットで投票してみるのは手軽にできますし」(宮脇氏)

では、実際に予想を立てるとき、SIVAが予測した結果をどのように活用すればよいのだろう。野下さんと宮脇さんがそれぞれの使い方を教えてくれた。

「私は、SIVAの予測は参考程度にして、大本命の馬は自分で決めます! いや、SIVAを信用してないわけでは全くないですよ(笑)。ただ、自分で予測する楽しさもやっぱりありますよね」(野下氏)

「私は、SIVAの予測どおりの馬券と自分の予想との2パターン買います」(宮脇氏)

2人を初めとするGAUSSのメンバーには実は競馬ファンは少ない。しかし、レース中継が始まるとオフィス全体で仕事を中断し、大きなスクリーンで観戦するという。みんなで一緒に競馬を楽しむ雰囲気があるそうだ。

初心者とベテランの垣根をまたぎ、みんなで競馬を楽しめるようになる。これこそが、SIVA開発チームが目指す世界であり、大切にしているビジョンでもある。

「競馬がもっと多くの人にとって身近なレジャーになり、初心者とベテランの垣根を越えて楽しめるものになること」。その実現を目指すSIVAをインストールして、競馬を始めてみてはどうだろうか。

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